2019
Examination room of Faculty of Medicine Miyazaki University 宮崎大学小児科病棟 診察室の改装

子どもは楽しく、大人は落ち着く診察室

宮崎大学小児科病棟 診察室の改装 Examination room of Faculty of Medicine Miyazaki University

子どもは楽しく、大人は落ち着く診察室

2018年に、当時、宮崎大学小児科病棟の看護師長さんより「診療室を改装したい」とご相談をいただきました。聞くと、師長さんは翌年2019年3月をもって退職予定で、それまでに念願の改装を…とのことでした。気合いが入ります。

初回のお打ち合わせで師長さんを含め、何人かのスタッフさんからご要望を聞きました。まずは、こどもたちが楽しくなること。処置をされる場所なので、あまり行きたい場所ではないのが現状です。次に、長時間そこで働く医師、看護師にとっても居心地が良いこと。「楽しい」と「落ち着く」を両立する案を検討しました。

診察室は2箇所。もともと、リノリウムの床に白っぽい壁、天井の部屋に、既成の装飾ステッカーがスタッフさんによって貼られていました。(9枚目)まずは「落ち着く」空間をつくるために、木の壁に一新することにしました。その上で子ども達が楽しく眺められる装飾を考えます。

診療室には乳児から中学生まで年齢問わず子ども達が訪れます。装飾のイラストタッチに個性が出るほど、はまる年齢層や好みは狭まってしまいます。なので、今回は極力個性をおさえて、幾何学的だけど楽しい雰囲気のグラフィックを目指しました。その際、モチーフも具体的なものにはせずに、デザインテーマを「にょろにょろ」ルーム、「ぽんぽん」ルームとしました。擬音語のイメージから、色や形を連想します。その装飾の中に、小さな人型のモチーフを紛れ込ませることで、動きや、広がり、別世界が生まれるのではないかと考えています。

改装は以前、潮見小学校の図書館改装をされた親和木工さん。とても柔軟にご対応いただけて、思った以上の仕上がりにしてくださいました。

切り出した板は一枚づつアクリル絵の具で手塗りをしたのですが、お手伝いをしてくれたM.N.さんとS.M.さんには大感謝です。

施工中にも先生やスタッフさんたちが訪ねて来られて「木のいい匂い!」「ロッジみたい、泊まりたい」など嬉しい言葉をかけていただきました。完成後も、他局の先生たち、子どもたち、保護者のみなさんにも好評いただいている様子です。

今回、公共の大学病院での提案だったので、個人のクリニックさんとはまた異なるハードルや問題が多々ありました。諸所の問題をクリアしつつ、理想のイメージに近づけるための工程もとても勉強になりました。